コラム

2022.05.31 お役立ち情報

土地の権利書とは?内容や登記簿との違い、紛失時の対応方法


土地の権利書とは?内容や登記簿との違い、紛失時の対応方法

マイホームを購入した際に受け取る「土地の権利書」。
不動産の購入に限らず、譲渡された際にも受け取りますし、売却する際には権利書を新たな所有者に引き継ぐ必要がある、不動産登記に欠かせないものです。

ただ、実際に使用するシーンが少ないため、権利書がどのようなものなのか覚えていない方も多いのではないでしょうか。
中には、 紛失してしまった方もいらっしゃるかもしれません。
ここで、不動産登記の手続きで必要となる土地の権利書の基礎知識や、紛失した場合の対処法について説明します。

そもそも不動産登記とは

土地の権利書は、主に不動産登記の手続きをする際に使われるものです。
ここで改めて、不動産登記について説明しておきましょう。

不動産登記とは、土地や建物などの不動産の種類や権利関係などを記載して、公に示すために設けられた制度です。
不動産取引は多額の資金が動きますから、取引を公正かつ安全に進めるためにも、また手続きを迅速に進める上でも、物件情報を誰もが閲覧できる状態にしておく必要があります。

そこで、不動産の所在地や用途(宅地、農地など)、広さ、所有者、抵当権の設定といった情報を登録して公に示すことで、安心かつ迅速な取引が実現できるようにした制度が、不動産登記です。

不動産登記は法務局が管理しています。
所有者の変更や相続といった登記内容に変更があった際には、法務局に届け出る必要があり、場合によっては土地の権利書が求められることがあります。

土地の権利書とは?

土地の権利書とは、土地の所有権を取得したときに法務局が交付するもので、土地の所有権を証明する書類のひとつです。正式には「登記済権利証」といいます。

土地の権利書は主に、土地の売買や相続などで登記を済ませたときに受け取るもので、不動産の所在地や用途、広さ、売主や買主の名前と住所などの情報が記載され、登記済みの印鑑が捺印されています。

ただし、この様式は2004年の法改正で廃止され、現在は権利書の発行をしていません。
その代わりに交付されるようになったのが、「登記識別情報」というものです。
登記識別情報は、英数字が羅列された12桁のパスワードです。
この番号のことを、昔の名残で「権利書」と呼ぶことがあります。

不動産会社や銀行などで「土地の権利書が必要」と言われたら、登記済権利証もしくは登記識別情報のどちらかを準備しましょう。

登記簿との違いは?

土地の権利書(登記済権利証または登記識別情報)と、よく混同されるものに、「登記簿(登記簿謄本)」があります。
この二つは似ていますが、まったくの別物ですので 注意が必要です。

登記簿とは、先ほど説明した不動産登記の情報を記載したもので、法務局が管理するものです。
手数料を払えば誰でも閲覧でき、また法務局に申請すれば登記簿謄本という書面の交付も受けられます。
登記簿を見れば、「いつ、誰が取得したか」「どのような用途で使われていたか」といった土地の経歴もわかります。
この情報をもとに、不動産会社は安心して取引してもよい土地であるかを判断しているのです。

これに対して土地の権利書は、その土地の所有者が管理するものです。
所有者の許可がなければ閲覧できませんし、土地の経歴までは記載されていません。
権利書は、あくまでも「所有者の権利を示すもの」です。

このように登記簿と土地の権利書は、管理者も内容も用途も違うものですから、混同しないようにしましょう。

土地の権利書が必要なシーンとは

土地の権利書を使用するのは、不動産登記に何らかの変更がある時くらいです。
具体的には、以下のようなシーンで求められます。

不動産を売却・譲渡するとき

所有している不動産を売却したり譲渡したりする際には、権利書が必要です。
これは不動産会社に依頼するときはもちろん、親族や個人間で行う際にも移転登記の手続きを進める上で必要になります。

抵当権を設定するとき

住宅ローンを契約する際には、担保となる土地や建物に抵当権を設定しますが、それを登記する必要があるため、土地の権利書が求められます。
また、住宅ローンを借り換える場合にも、新たに抵当権を設定する必要がありますから、土地の権利書が必要です。

相続でも必要なケースがある

相続登記については、基本的に権利書は不要です。
所有者が亡くなれば、土地の権利書は効力を失いますから、新たな権利書が交付されることになります。

ただ、稀に権利書が必要になるケースもあります。
たとえば、所有者が亡くなった後も権利書が有効なケースや、亡くなってしばらくしてから(住民票の保存期限が切れてから)移転登記を行うケースなどでは、権利書が必要になる場合があります。

権利書を紛失したら再発行はできる?

土地の権利書は、法務局が交付したら個人で管理するものです。
使用するシーンもほとんどないため、「権利書を紛失した」という話もしばしば聞かれますが、紛失しても再発行はできません。
土地の権利書は所有者が変更したときに一度限りで交付されるものであり、法務局では管理していませんから、再発行は不可能なのです。

では、権利書を紛失したら土地の譲渡や売却といった名義変更ができないかというと、別の方法で実行できます。

ここで、権利書を紛失した場合に名義変更する方法について説明しましょう。

権利書を紛失したときの土地売却の方法

本人確認証明情報を作成する

「本人確認証明情報」とは、司法書士や弁護士などに依頼して作成してもらう、本人確認の書類のことです。
運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証を元に本人であることを示す内容や、所有権の移転といった登記の目的についても書面に記載されます。
これを法務局に提出すれば、土地の権利書の代わりとして手続きができます。

司法書士などへの報酬が必要ですが、確実に手続きを代行してもらえる方法のため、もっともポピュラーな手段です。

法務局の事前通知を利用する

登記申請をする際には土地の権利書を添付する必要がありますが、添付せずに申請することも可能です。
その場合は後日、登記内容を記載した書類が法務局から本人限定受取郵便で送付されてきます。
この書類を法務局に返送することで、土地の名義人であることが証明されるのです。
これを、「法務局登記官の事前通知制度」といい、返送した書類が受理されたら土地の権利書がなくても手続きが行えます。

費用を抑えたい方には適した方法ですが、書類の受け渡しを郵送で行うため時間がかかり 、2週間以内に返送しないと申請は却下されてしまうという注意点もあります。
実際の不動産取引では、あまり使われない方法です。

公証役場で手続きをおこなう

公証役場で公証人の立ち合いのもと、手続きを行う方法です。

手続きの際には、実印と印鑑証明書、委任状を持参する必要があります。
この委任状は、司法書士に依頼して作成してもらいます。
本人確認証明情報の作成よりも費用は抑えられるものの、司法書士に協力してもらったり公証役場へ足を運んだりと手間のかかる方法なので、これもあまり使われない方法です。

万が一権利書を盗まれたら悪用されるのか?

もしも土地の権利書が第三者に盗まれたら、どのようなリスクがあるのでしょうか。
「名義人が勝手に変更されたり売却されたりするのでは?」と心配な方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、登記情報の変更には権利書のほかにも実印や印鑑証明が必要なため、悪用されるリスクは限りなく低いでしょう。
仮に、実印と印鑑証明も盗まれ登記名義人が変更されたとしても、売却は不可能に近いです。
なぜなら、不動産を売却するには住民票や戸籍謄本といった本人確認書類や固定資産税評価証明書など、本当の所有者でなければ入手できない書類が必要だからです。
また、登記名義人を違法な行為で変更されたことが証明できれば、裁判によってその移転登記を抹消できます。

とはいえ、悪用されるリスクはゼロではありませんから、権利書が盗まれたら警察に被害届を出すとともに、法務局には不正登記防止申出を行いましょう。
不正登記防止申出をすると、悪用による申請があった場合に法務局が登記処理をストップしてくれます。

土地の売却に必要な書類

土地の権利書以外にも、土地を売却する際にはさまざまな書類を用意する必要があります。具体的には、以下の通りです。

<本人確認の書類>
・土地の権利書(登記済権利証または登記識別情報)
・戸籍謄本
・住民票
・実印
・印鑑証明書
・固定資産税・都市計画税納税通知書

<土地の状況を記した書類>
・建築確認通知書・検査済証(建物も売却する場合)
・物件状況等報告書
・測量図・建物図面・建築協定書
…など

このほか、登記名義人が結婚や離婚により姓が変わり登記簿上の氏名と異なる場合や、住所に変更があった場合には、「登記名義人住所・氏名変更登記」を行う 必要があり、別途以下の書類が必要です。

・除籍謄本(変更前の氏名が記載されていない場合)
・登記簿の記載住所から現在の住所に至るまでの経緯を記載した住民票

土地の権利書に関するよくある質問

Q.土地の権利書を紛失したら、どこに相談すればよい?

まずは、公証役場の相談窓口で相談しましょう。売却などのケースごとの対処法や必要な手続きを無料でアドバイスしてくれます。
盗難に遭った場合は、警察に被害届を出し、法務局には不正登記防止申出を提出することもお忘れなく。

Q.登記済権利証から登記識別情報に変更できる?

土地の権利書は再発行ができないため、登記済権利証から登記識別情報に変更することもできません。
2004年の法改正で登記済権利証は発行されなくなりましたが、権利書自体の効力は引き続き残っていますから、そのまま持ち続けましょう。

まとめ

土地の権利書は、所有権が移転したときに一度だけ法務局から発行されるものです。
土地の売却や住宅ローンの借り換えなどの際に必要となりますから、紛失しないよう大切に保管することが求められます。

万一紛失した場合でも、別の方法で売却などの手続きは可能ですが、時間と費用がかかりますから、紛失しないようしっかり管理しましょう。

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