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2022.04.25 お役立ち情報

財形住宅融資とは?メリットやデメリットをわかりやすく解説


財形住宅融資とは?メリットやデメリットをわかりやすく解説

住宅ローンには、銀行などの民間金融機関が提供する商品のほかにも、公的機関が提供する商品もあります。
その代表例が、「財形住宅融資」です。

財形住宅融資とは、どのような融資なのでしょうか。
民間金融機関の住宅ローンとの違いや利用するメリット、利用条件など、財形住宅融資の特徴を解説します。

財形住宅融資とは?

財形住宅融資とは、住宅金融支援機構の融資制度で、財形貯蓄をしている人が利用できる住宅ローンです。
主に、企業の福利厚生として財形貯蓄制度がある会社員が利用でき、給与から一定額が天引きされて貯蓄に回される仕組みになっています。
つまり、財形住宅融資を利用するには財形貯蓄制度を導入している企業に勤めていることが大前提となるわけです。

財形貯蓄には、積立の目的に応じて「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類がありますが、いずれかの貯蓄を1年以上行い、かつ申込時の貯蓄残高が50万円以上ある方であれば財形住宅融資が受けられます。

財形住宅融資の限度額について

財形住宅融資の融資額には上限があり、最高は4,000万円です。
ただし、「財形貯蓄の合計額の10倍まで」であること、「住宅取得価額の90%まで」であることも、上限額を決める条件になります。
たとえば、財形貯蓄の合計額が300万円の方なら3,000万円の融資までが可能ですが、物件価格が3,000万円の場合は、その9割にあたる2,700万円までが融資限度額となります。

また、融資額を決める際には返済負担率の条件も満たす必要があります。
返済負担率は年収によって異なり、年収400万円以上の方なら35%以下、年収400万円未満の方は30%以下です。
なお、一定の条件を満たせば同居者の収入を合算して申し込むことも可能です。

財形住宅融資の申し込み条件

財形住宅融資を利用できるのは、以下の条件を満たす人です。

財形貯蓄を1年以上継続していること

一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄のいずれかで、1年以上の財形貯蓄を行っている人が対象です。

なお、財形貯蓄は中断することも可能ですが、借入申込日前の2年以内に預け入れをしていることも条件ですので、2年以上中断している方は預け入れを再開してから申し込みましょう。

借入申込日の貯蓄残高が50万円以上あること

一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の合計額が50万円以上あれば、利用できます。

勤務先に住宅に関する負担軽減制度があること

財形貯蓄制度がある企業に勤務していることも条件ですが、住宅手当などの住宅に関する負担軽減制度があることも利用条件に含まれます。

70歳未満であること

借入申込日の段階で満70歳未満であることも利用条件です。なお、リフォームが目的の場合は79歳未満になります。

融資を受けられる住宅・土地の条件

申込者の条件だけでなく、住宅に関しても以下の内容を満たす必要があります。

・自分で所有または居住する住宅であること
・完済するまで、その家に居住すること
・抵当権を設定できること
・火災保険に加入すること

このほかにも、新築と中古でそれぞれの条件を満たす必要があります。

新築住宅の条件

・住宅部分の床面積が70m2以上280m2以下であること(マンションは40m2以上280m2以下)
・借入申込日前の2年以内に完成していること(工事中・未着工も含む)
・住宅金融支援機構が定める技術基準に適合する住宅

中古住宅の条件

・建築後2年を超えた住宅
・適合証明書で、財形住宅の中古住宅タイプに適合すると証明されている住宅
・居室が二つ以上あり、店舗併用住宅ではないもの
・マンションの場合は、適合証明省略に関する申出書により確認された住宅や、リ・ユースマンション適合確認書の要件に適合すると確認された住宅であること
※詳細は住宅金融支援機構の公式サイトを参照ください

土地について

土地については、申込年度の2年前の年の4月1日以降に取得した(または取得予定の)土地に新築住宅を建てる場合には融資が受けられます。
ただし、土地購入のみのケースには利用できません。家を建てるために購入した土地であることが、大前提になります。

財形住宅融資の申し込み方法

財形住宅融資の申し込み先は、勤務先によって異なります。
通常は、勤務先で財形貯蓄を扱っている部署に申請すれば申し込めますが、企業によっては住宅金融支援機構に直接申し込むところもあれば、指定銀行などの金融機関に申し込むところもありますし、共済組合に申し込むケースもあります。
まずは、勤務先に確認しましょう。

なお、申込先によって諸費用や必要書類が異なったり適用金利が異なったりする場合もあります。
たとえば、事務手数料は住宅金融支援機構に申し込む場合は不要ですが、財形住宅金融株式会社だと3~5万円が必要です。

必要書類について

上述の通り、必要書類は勤務先によって異なるだけでなく、新築か中古か、リフォームかなど物件によっても異なりますから、あらかじめ確認しておきましょう。

以下は、新築住宅を購入する際に住宅金融支援機構に申し込むケースの必要書類を紹介します。

・財形住宅資金借入申込書
・負担軽減措置などの証明書(勤務先の証明が必要)
・財形貯蓄残高計算依頼書
・財形住宅融資の融資金利に関する確認書
・提出書類送付書
・住宅金融支援機構の財形住宅融資商品概要説明書
・取り扱い金融機関の希望届
・申し込み内容確認書
・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
・収入および納税に関する公的証明書(住民税課税証明書や特別徴収税額の通知書など)
・土地の登記事項証明書
・工事請負契約書
…など

銀行住宅ローンと財形住宅融資の違い

住宅ローンといえば、銀行などの民間金融機関が提供する商品をイメージされる方が多いと思います。
これらの住宅ローンと財形住宅融資とでは、どんな違いがあるのでしょうか。
財形住宅融資を利用するメリット・デメリットとあわせてまとめました。

【メリット】金利が低い

財形住宅融資は、5年ごとに金利を見直す固定金利の住宅ローンです。
同じ仕組みの民間金融機関の住宅ローンやフラット35(全期間固定金利の商品)などと比べると、財形住宅融資の方が金利は低い傾向にあります。
ちなみに、2022年4月現在の金利は0.75%。フラット35は1.31%です。

ただし、財形住宅融資は5年ごとに金利の見直しがありますから、金利上昇リスクを避けられないことは覚えておきたいポイントです。
5年後や10年後に金利が上昇して、フラット35などより高くなる可能性があることは認識しておきましょう。

【メリット】事務手数料や保証料が不要

民間金融機関で住宅ローンを契約する際には、金融機関の事務手数料が必要です。
この手数料は定額制の銀行もあれば、借入額に応じて決まる定率制の銀行もあり、少なくとも数万円から数十万になるのが一般的です。
また、保証会社に支払う保証料も同じく数万円から数十万が必要です。

財形住宅融資であれば手数料も保証料も不要ですから、契約時に必要な諸費用を抑えられるというメリットがあります。

【デメリット】4,000万円までしか借り入れできない

借り入れできる最高額は、フラット35だと8,000万円、民間の金融機関だと1億円を上限としているところが多いです。
これに対して財形住宅融資の場合、上限額は4,000万円までしか借り入れできません。

ただし、財形住宅融資はフラット35など他の住宅ローンと併用が可能です。
借入可能額に余裕がある方はほかの住宅ローンと一緒に申し込むことで、金利上昇などのリスク分散もできるようになります。

【デメリット】団体信用生命保険料は別払い

民間の金融機関で住宅ローンを契約する際には、団体信用生命保険の加入が義務になっています。その保険料は金利に含まれていますから、別途支払う必要はありません。

これに対して、財形住宅融資の場合は団体信用生命保険への加入は任意です。
保険に加入する場合は、保険料を別途支払う必要があります。

育児世代なら財形持家転貸融資の特例適用も可能

財形貯蓄をされている方であれば、財形住宅融資ではなく「財形持家転貸融資」を選ぶことも可能です。
財形持家転貸融資とは、勤労者退職金共済機構の融資で、財形持家転貸融資制度がある勤務先で財形貯蓄をしている人が利用できます。

利用条件は財形住宅融資とほぼ同じで、財形貯蓄を1年以上行っていること、50万円以上の貯蓄残高があることなどが条件。
金利や5年間固定といった条件も財形住宅融資と同じです。

ただ、財形持家転貸融資には子育て世帯に対して金利を0.2%優遇する、期間限定の特例措置(子育て勤労者支援貸付金利引き下げ特例措置)があります。
2022年4月現在の金利は0.75%ですが、この特例措置が適用されたら当初5年間は0.55%で融資が受けられるのです。

特例の対象となる条件の一例は、以下の通りです。

・18歳以下の子どもを扶養している方
・自分が所有または居住するための住宅を取得すること
・財形貯蓄を1年以上継続していること
・財形貯蓄残高が借入申込日時点で50万円以上あること
・事業主から負担軽減措置を受けられること
…など

詳細は、独立行政法人勤労者退職金共済機構のホームページでご確認ください。

まとめ

財形住宅融資は、市場の住宅ローンと比べて金利が低く手数料や保証料もかからないため、条件に合致する方であればお得に利用できる融資制度です。

一方で、そもそも勤務先に財形貯蓄制度がなければ利用できないという条件に加え、融資額は貯蓄残高に応じて決まるため、どれだけ多くの残高を貯められるかが財形住宅融資を最大限活用するためのポイントといえます。

なお、金利は5年ごとに見直されるため金利上昇リスクがあることなどのデメリットもありますから、利用できる方でもほかの住宅ローン商品と比較しながら選択することも大切です。


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