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2022.02.28 お役立ち情報

2022年度から変わる住宅ローン控除。控除額や変更点をわかりやすく解説


2022年度から変わる住宅ローン控除。控除額や変更点をわかりやすく解説

住宅ローン利用者の所得税や住民税が還付される「住宅ローン控除(減税)」。
その内容が、2022年の税制改正で大きく変更されます。

2021年12月10日には、自民党の調査会で税制改正大綱が取りまとめられ、具体的な変更点が明らかにされました。
これまでの住宅ローン控除の内容と比較しながら、変更点を見ていきましょう。

従来の住宅ローン控除(減税)の内容

最初に、2021年度の住宅ローン控除の内容について確認しておきます。
これまでの住宅ローン控除の主な内容は、以下の通りです。

・控除率:1%
・控除期間:10年(2021年度は特例で13年)
・ローン限度額:4,000万円(認定住宅は5,000万円)
・所得要件:年収3,000万円以下

たとえば、年末の住宅ローン残高が3,000万円の場合、控除率の1%をかけた30万円が年間の最大控除額だったわけです。
控除期間は2021年度現在で13年ですから、トータルで最大500万円前後が還付される内容でした。

なお、最大控除額はローン残高以外にも納めた所得税・住民税の額や扶養家族などによって変わるため、必ずしも最大控除額が還付されるわけではない点に注意が必要です。

2022年度の住宅ローン控除改正で変わること

まずは、従来の住宅ローン控除の内容と、2022年度の内容を比較した表をご覧ください。

2021年度までの内容 2022年度の改正内容
控除率 1% 0.7%
控除期間 10年 13年
ローン限度額 4,000万円(認定住宅などは5,000万円) ・認定住宅:5,000万円
・ZEH:4,500万円
・省エネ基準:4,000万円
・その他の一般住宅:3,000万円
所得要件 年収3,000万円以下 年収2,000万円以下

それでは詳しく見ていきましょう。

控除率は0.7%に引き下げ

控除率は、従来の1%から0.7%に引き下げられます。

引き下げとなった理由に一つが、住宅ローンの超低金利時代があります。
2021年現在、変動金利の住宅ローンには0.5%前後の商品も見られます。
これは、ローンの利息分よりも減税となる控除額の方が多くなる、いわゆる「逆ザヤ」という状態です。
これを解消するために、控除率を引き下げたとされます。

控除期間は13年に延長(2023年までに新築に入居する場合)

新築住宅を対象とした控除期間について、従来は原則10年間でしたが、改正案では原則13年間に延長されます。
ただし、現在は2019年の消費増税による特例として控除期間が13年間に延長されていますので、現状と変わらないともいえます。

なお、中古住宅の控除期間はこれまで通り10年間です。
また、環境住宅などを除く一般の新築住宅の場合、入居が2024年度以降になると10年間に引き下げられる予定です。

ローン限度額は環境性能によって大別

控除が適用されるローン限度額(借入残高の上限額)は、これまでは4,000万円(認定住宅などは5,000万円)でしたが、2022年度以降は住宅の環境性能に応じて細かく分かれることになります。
具体的には、以下の通りです。

新築住宅 中古住宅
認定住宅 5,000万円 3,000万円
ZEH 4,500万円 3,000万円
省エネ基準 4,000万円 3,000万円
その他の一般住宅 3,000万円 2,000万円

その他の一般住宅(一定の省エネ基準を満たさない住宅)を除き、これまでと同じまたはそれ以上になります。

ただし、新築住宅では2024年度以降に引き下げられる予定です。
省エネ基準を満たさないその他の一般住宅に関しては、2024年度以降は上限額が0円、つまり控除されないことになりますからご注意ください。

所得要件は年収2,000万円以下に

住宅ローン控除には、所得の上限額も定められています。
従来は、年間所得3,000万円以下だったのが、改正案では2,000万円以下に変更となります。
2,000~3,000万円の高所得者は、2022年度から住宅ローン控除の対象外です。

その他の変更点

両親や祖父母などから住宅取得の資金を贈与される場合、非課税限度額が緩和される特例があります。
従来の限度額は、省エネ住宅の場合は1,500万円、そのほかの一般住宅は1,000万円ですが、改正後は省エネ住宅が1,000万円、一般の住宅は500万円になります。

なお、受贈者の年齢要件は従来の20歳以上から18歳以上に引き下げられます。

新築・中古住宅・住宅の種類ごとの変化

ここまでは、新築住宅・中古住宅に共通の変更点を紹介したが、新築のみの変更点や中古のみの変更点もあります。
いくつかピックアップして紹介します。

【新築のみ】床面積要件の緩和

建物の床面積は、従来は50m2以上が適用要件でしたが、2022年度からは40m2以上50m2未満の住宅も適用されます。
主に、マンションを購入される方にとって恩恵のある変更点でしょう。

ただし、2023年末までに建築確認を受けること、年間の所得が1,000万円以下であることという制限があります。

【中古のみ】築年数要件の緩和

一定の築年数要件を満たさない中古住宅の場合、従来は既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書か耐震基準適合証明書(既存住宅性能評価書)の提出が求められました。

2022年の改正では、1982年以降の新耐震基準に適合する建物は証明書がなくても適用されるようになります。
このため、該当物件を購入される方は証明書を取得する手間が省けます。

【中古のみ】認定住宅にZEHと省エネ基準が含まれる

中古住宅は大きく「認定住宅(長期優良認定住宅、認定低炭素住宅など)」と「その他の一般住宅」に分けられ、従来はZEHや省エネ基準の家は「その他の一般住宅」に分類されました。
2022年改正では、ZEHや省エネ基準の家は「認定住宅」に分類されます。

この変更により、ZEHや省エネ基準の中古住宅を購入された方の最大控除額は、従来の年額20万円(トータル200万円)から、改正後は年額21万円(最大210万円)に増えることになります。

最大控除額はどれくらい変わるのか?

2022年度の住宅ローン控除改正により、最大控除額はどれくらいになるのでしょうか。
一覧表にまとめました。

住宅の種類 年間の控除額 トータルの最大控除額
【新築】認定住宅 35万円 455万円
【新築】ZEH 31.5万円 409.5万円
【新築】省エネ基準 28万円 364万円
【新築】一般住宅 21万円 273万円
【中古】認定住宅 21万円 210万円
【中古】一般住宅 14万円 140万円

従来は最大で年間40万円(中古は20~30万円)、トータルで500万円前後(中古は200~300万円)だった控除額が、改正後はほぼ引き下げとなります。

ただし、ZEHや省エネ基準の中古住宅は一般住宅から認定住宅に変更となるため、控除額が増える場合があります。

人によっては減税額が従来の住宅ローン控除より上がる場合も

控除率の引き下げにより多くの方の控除額は減る見込みですが、年間の所得額によっては控除額が増える方もいます。

たとえば、年収が約600万円で配偶者を扶養している方の場合、従来の控除額だと年間で約30万円、10年間だと300万円くらいです。
この人が、改正後に一定の省エネ基準を満たす家を建てるために4,500万円の住宅ローンを借り入れると、控除額は年間で約26万円、13年間だと約325万円になり、節税効果のアップが期待できます。

このように、所得税などの納税額やローンの借入額、住宅の環境性能によっては、控除額が増えるケースもありますから、改正案が必ずしも「改悪」とはいえないのです。

まとめ

控除率の引き下げにより多くの方の控除額は減る見込みですが、年間の所得額によっては控除額が増える方もいます。

たとえば、年収が約600万円で配偶者を扶養している方の場合、従来の控除額だと年間で約30万円、10年間だと300万円くらいです。
この人が、改正後に一定の省エネ基準を満たす家を建てるために4,500万円の住宅ローンを借り入れると、控除額は年間で約26万円、13年間だと約325万円になり、節税効果のアップが期待できます。

このように、所得税などの納税額やローンの借入額、住宅の環境性能によっては、控除額が増えるケースもありますから、改正案が必ずしも「改悪」とはいえないのです。


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