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2021.06.01 お役立ち情報

用途地域とはなんなのか?土地探しで知っておきたい用途地域のまとめ


用途地域とはなんなのか?土地探しで知っておきたい用途地域のまとめ

不動産広告に表示される項目の一つに、「用途地域」があります。第一種低層住居専用地域、商業地域などの区分がありますが、「何となく見ているけど気にしない」という方も多いのではないでしょうか。

用途地域は、自分や家族が理想とする街を選ぶうえで重要なポイントの一つです。そこで今回は、用途地域が何のために設けられているのか、また、それぞれの地域に建てられる建物の種類など、用途地域の基礎知識を学んでいきましょう。

そもそも用途地域とは?

用途地域とは、簡単にいうと「その地域にどんな建物が建てられるのかを、行政が定めた都市計画」のことです。各自治体は、地域ごとに建てられる建物の種類や規模を細かく決めています。それが、快適な都市環境を形成する上で重要なことだからです。

もし、用途地域を定めずに無計画な都市をつくると、人も企業も住みづらい街になってしまいます。たとえば、2階建ての戸建住宅の隣に高いマンションが建つと日当たりや風通しが悪くなり住みづらく感じる人が出てくるしょう。あるいは住宅街のなかに大規模な工場ができると、騒音などの公害で暮らしにくくなるかもしれません。

用途地域は、人々がより暮らしやすくなるために、また企業にとっても効率的な活動ができるよう、土地の使い方を指定したものです。用途地域の内容がわかっていれば、土地探しの際に「閑静な住宅街か」「繁華街の近くか」といった周辺エリアのイメージができますし、近くに高い建物が建たないなど将来も安心して暮らせる物件選びをするにも有益な情報として使えるのです。

用途地域は13種類ある

用途地域は、全部で13の地域に区分されます(2021年現在)。それぞれの地域には、建物の規模や業種、建ぺい率や容積率なども細かく規定されており、計画的な街づくりに役立っています。

13地域の特徴について、ここでは大きく「住宅が主の地域」「商業施設が立ち並ぶ地域」「工場が多い地域」の3つにわけて、説明しましょう。

住居が主の用途地域

13地域のうち8地域が、住居系の用途地域に分類されます。住宅地がメインですが、戸建てがメインのところもあればマンションが建ち並ぶところもありますし、地域によっては学校や商業施設、事業所などが認められているところもあります。

住居系用途の8地域について、それぞれ説明しましょう。

第一種低層住居専用地域

戸建住宅を中心に、低層の建物が並ぶ地域です。建ぺい率や容積率が厳しく指定されているほか、建物の高さも10mまたは12mまでしか建てられないと制限されているのが特徴のひとつ。設計によっては3階建てが難しい場合があります。

戸建住宅以外にも、店舗や事務所と兼務した住宅もOK。ただし、店舗は床面積50m2以下と定められており、コンビニエンスストアは建てられません。そのほか、アパートや低層マンション、小・中学校、診療所、老人福祉センター、児童厚生施設なども建てられます。いわゆる「閑静な住環境」が広がる地域です。

第二種低層住居専用地域

こちらの地域も戸建住宅がメインです。第一種との違いは、床面積150m2までの店舗が建てられること。コンビニエンスストアや飲食店なども認められますから、地域によっては第一種よりも利便性が良いかもしれません。

第一種中高層住居専用地域

戸建住宅や中高層住宅(分譲マンションなど)が建ち並ぶエリアです。高さ制限がなく、容積率などの条件を満たせば3階建て以上の住まいも建てられます。

住居以外にも、幼稚園、小・中学校、高校、大学などの教育施設、図書館、病院、飲食店、スーパーマーケットなども認められています。なお、商業施設は2階以下で床面積が500m2以下という制限があります。オフィスビルは建てられません。

第一種・第二種低層住居専用地域よりも利便性が高く、その一方で閑静な住環境も手に入る地域でしょう。

第二種中高層住居専用地域

第一種で認められる建物に加え、2階以下で床面積が1,500m2以下の店舗や事業所も建てられます。やや大きなスーパーマーケットも近くにあるため、場所によっては第一種よりも利便性が高いと感じるでしょう。

また、中規模な事業所も認められるので、徒歩圏で仕事を探している方にも適しているかもしれません。

第一種住居地域

住宅の環境を守ることを前提に、比較的大きな建物も認められた地域です。駅に近いエリアで指定されることが多く、商業施設も建ち並ぶためにぎやかな地域といえます。

高さ制限はないため、大規模マンションも建てられます。また、3,000m2までなら店舗や事務所、病院、大学、オフィスビル、ホテルなども認められます。さらに、作業場の床面積が50m2以下であれば工場も建てられます。ただし、パチンコ店やカラオケボックスといった遊戯施設、風俗店などは建てられません。

夜も街灯や店の照明で明るいため比較的に治安はよく、女性の一人暮らしにも向いています。

第二種住居地域

第一種住居地域との違いは、床面積10,000m2までの商業施設が認められること。ショッピングセンターやボウリング場、スケート場なども建てられます。また、第一種では認められていないパチンコ店やカラオケボックスも認められます。

繁華街に近いエリアですから、一人暮らしやカップルの方には、近くに遊べるところが多いので暮らしやすいかもしれません。

準住居地域

主に、国道や幹線道路沿いで見られる住宅地。戸建住宅よりもマンションが建ち並ぶ地域です。マンションのほかにも、ショッピングモールや事業所のビル、3階以上または床面積が300m2より大きい倉庫や駐車場、客席部分が200m2未満の劇場や映画館なども建てられます。

普段からクルマを使った生活をされる方には、とても便利な地域といえます。

田園住居地域

住宅地と農地との調和を目指し、2019年に新設された新しい用途地域です。場所によっては、貸農園を運営しているところもあり、「農業にチャレンジしてみたい」という方に適した地域でしょう。

住宅は基本的に低層住宅がメインで、第一種低層住居専用地域に近いイメージですが、500m2以内であれば農産物直売所や農家レストラン、農産物や農機具を貯蔵する倉庫なども建設が可能です。

また、幼稚園から高校までの教育施設、図書館、病院、神社・寺院なども建てられます。

商業施設が建ち並ぶ用途地域

文字通り、商業施設が立ち並ぶ商業系の用途地域には2つあります。いずれも住宅が建てられる地域ですから、ショッピングを楽しみたい方にピッタリなエリアです。

近隣商業地域

住居はマンションがメインで、日用品の買い物に不便さを感じないエリアです。喧噪とした地域に近いので、日中はあまり家にいないけど利便性を追求する人に向いています。

商業施設に関しては、準住居地域で設けられている床面積の制限がなく、店舗や事務所、劇場や映画館などさまざまな建物が建てられます。ただし、風俗店は認められません。

このほか、床面積が150m2以下で危険性や環境悪化のリスクがない工場、床面積が300m2以下の自動車修理工場なども認められます。

商業地域

大きなターミナル駅の前に広がる商業地。そのなかに建つマンションで暮らすイメージをすれば、わかりやすいかと思います。基本的には、そこに住むことが目的の地域ではないため、利便性を追求する方に向いた地域でしょう。

周辺には、銀行や飲食店、百貨店、映画館などの施設が集まり、さらに風俗店や小規模な工場など、あらゆる施設が建てられます。

工場が多い用途地域

工業系用途地域は企業の工場が建ち並ぶエリアで、工場の運営や利便性を高めることを目的に3つの用途地域が指定されています。このうち「工業専用地域」を除く2つの用途地域で、住宅を建てることが可能です。

準工業地域

軽工業の工場を中心に、あらゆる工場が建てられるエリアです。ただし、住宅と混在する地域なので安全性や防災の観点から健康や環境に影響を及ぼすリスクのある工場は認められません。

工場のほかにも、住宅や商業施設、学校、ホテル、病院、遊戯施設(映画館やボウリング場など)も建てられます。近くの工場に勤める方が暮らすのに適した環境といえるでしょう。

工業地域

健康や環境に影響をおよぼす工場をはじめ、あらゆる工場が建てられる地域です。主に湾岸エリアや工場跡地などで指定されています。

これらの地域にある住まいといえば、高層マンションや大規模マンションが中心。工場跡地の再開発で建てられたタワーマンションなどは、通勤の便もよく人気があります。

商業施設も建てられますが、病院や教育施設、ホテル、映画館などは認められません。また、工場を出入りするトラックの通行も多いため、小さな子どもがいる家庭などは周辺環境に注意が必要です。

工業専用地域

工場のみが建ち並ぶ地域で、石油コンビナートや鉄工所を含めて、あらゆる工場が建ち並びます。住宅をはじめ学校、病院、商業施設や遊戯施設などの建築は認められません。

用途地域の調べ方

検討している地域がどの用途地域に指定されているかは、自治体の窓口などで調べられます。用途地域は都市計画の一環ですから、窓口で相談すれば用途地域のわかる都市計画図を見せてくれるでしょう。また、一部の自治体ではホームページでも公開しています。

用途地域は、地図上に緑やピンクなどの色分けされています。主に、道路を境として細かく指定されていますから、希望の物件がどの用途地域内にあるかも把握しやすいでしょう。

まとめ

用途地域を知ることで、街の周辺環境をイメージできることはもちろん、地域の将来性についても確認できるのもメリットの一つです。

たとえば、希望する物件の隣に大きな空き地がある場合、第一種低層住居専用地域であれば戸建住宅が建ち並ぶことが想定されますが、第一種住居地域だと大規模マンションや商業施設が建ち、日当たりや風通しなど生活環境が大きく変わるかもしれません。用途地域を知っていれば、こうしたリスクを避けることにもつながるのです。

自分が住みたい街、理想とする環境が固まっている方は、用途地域も物件選びの判断材料の一つにされてはいかがでしょうか。


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