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2021.01.27 お役立ち情報

病気で住宅ローンが組めないときはどうすればいい?


病気で住宅ローンが組めないときはどうすればいい?

年収に十分余裕があっても、住宅ローンの審査で落とされるケースがあります。健康状態に問題がある場合などです。

一時的な病気であれば完治後にローンを組めますが、問題は完治が難しい持病を抱えている場合です。実際にそうした持病がある人が、住宅ローンを組む方法はあるのでしょうか?こちらでご紹介していきます。

住宅ローンが病気で組めないケースとは

住宅ローンと健康状態は一見、関係がないようにも見えますが、実は大いに関係しています。健康状態によって、団体信用生命保険(団信)への加入の可否が決まるためです。

団信とは、住宅ローンの返済中に万が一契約者が亡くなったり重度後遺障害の状態になったりした場合、残りの返済を免除してもらえる保険制度です。遺された家族が返済に苦しまずに済むよう用意されている制度で、多くの金融機関では住宅ローンの契約者に加入を義務付けています。

その金融機関が、住宅ローン契約者の人数分(団体)まとめて申し込むため掛金が安く、通常は金利の中に組み込まれているため、掛金の負担なしで加入できます。

ただし、団信は生命保険の一種なので、健康状態が悪いと加入できません。加入できるかどうかを保険会社が判断するため、申込の際は健康状態を告知します。

健康状態に不安があると、つい実際の健康状態よりも良い状態を書きたくなるかもしれません。しかし、健康状態を偽って告知することは「告知義務違反」という詐欺行為にあたります。

保障開始から2年以内に告知義務違反が発覚すると、保険契約が解除されます。さらにそれ以降であっても、たとえば、契約者が亡くなった際に告知義務違反が発覚するなどして、保険金が支払われない可能性があります。

そうなればせっかく保険に加入していても、遺された家族は返済を続けなければなりません。返済が続けられず破たんして、住まいが競売にかけられる可能性さえあります。加入できるか自信がなくても、必ず正直に告知しましょう。

団体信用生命保険(団信)の告知事項

団信に加入するための告知事項は、一般的に次のような3項目です。いずれの項目にも当てはまらなければ、健康面での問題はありません。

1.最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
(ただし、かぜ、インフルエンザ、花粉症、虫歯の治療については告知不要)

2.過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?

狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くま膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病
肝炎、肝硬変、肝機能障害
腎炎、ネフローゼ、腎不全
緑内障、網膜の病気、角膜の病気
ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫

3.手足の欠損や機能障害がありますか? または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか?

もしこれらの項目に当てはまる場合は、次のような項目についてもできる限り詳しく告知しましょう。

・病気やケガ、障害などの診断名
・原因
・病気になった時期
・治療・投薬を受けた時期
・服用している(していた)薬の種類
・入院の有無や期間
・手術の有無や術名、手術部位
・経過
・現在の状態
・検査数値(血糖値、血圧値、肝機能値など、症状に関係するもの)

たとえば、食べすぎによる胸やけや腹痛による通院であっても、期間内であれば告知の対象となります。自己判断で「関係ないだろう」などと思わず、当てはまるものをすべて書きましょう。持病があっても、しっかりと状態を告知していて症状が安定していれば、加入できるという可能性もあります。

団信に加入できなかったときの対処法

では、実際に告知内容によって「団信に加入できない」と判断された場合はどうすれば良いのでしょう?住宅ローンの借り入れを諦めるべきなのでしょうか?

結論からいうと、住宅ローンを諦める必要はありません。まずはいくつかの団信の審査を受けてみましょう。

実は、病気の種類によって加入できるかどうかの判断には、保険会社による違いがあります。判断基準は公開されていないため、実際に申し込んでみるまで結果はわかりません。つまりA社で加入拒否された人であっても、B社やC社では加入できるかもしれないということです。

この場合、その金融機関が加入している保険会社を確認することが大切です。別の金融機関であっても団信の引受先が同じ保険会社だった場合、同じ病歴を提出しても拒否されるだけです。

また、一般的な団信に加入できない人向けに作られた「ワイド団信」といった保険を利用するという手もあります。

一定の持病がある人も加入できるよう、一般的な団信よりも加入基準が緩和された保険です。通常の団信に比べると金利が高くなりますが、団信に入れなかった人は加入を検討してみても良いでしょう。

住宅ローンが病気で組めない場合の対処法

団信は住宅ローンとセットで加入するものですが、「団信=住宅ローン」というわけではありません。いくつかの団信に審査を申し込んでいずれも審査に通過できない人は、そもそも「団信の加入を諦める」という手もあります。

通常の金融機関が提供する住宅ローンの場合、団信の加入が義務付けられています。つまり、団信に加入しなければ住宅ローンを借りられません。

しかし、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」の場合、団信への加入が任意になっています。フラット35の団信を「機構団信」といいます。

その代わり、機構団信に任意加入する場合、通常は金融機関が負担する団信の掛金を契約者が自分で負担しなければなりません。

団信への加入を諦める場合、契約者に万が一のことが起こった場合に備えて、ローンの支払額がカバーできるような別の保険制度に加入しておくことをおすすめします。機構団信の掛金や保障内容を、一般の保険と比較してどちらに加入するかを決めても良いでしょう。

団信への未加入によるデメリットをカバーする保険として、たとえば、次のような保険が考えられます。

生命保険 契約者が万が一、亡くなった場合に、保険金を受け取れます。住宅ローンの残債返済に加え、遺された家族のその後の生活を支える基盤ともなるので、公的保証などを加味しつつ必要な金額をしっかりとカバーできるよう加入しましょう。
就労不能保険 病気などで働けなくなった場合、毎月一定額の保険金を受け取れます。一般的にサラリーマンは病気になると1年半の「傷病手当金」が受け取れるので、それを加味して加入額を設定しましょう。

完治が見込める病気やケガなら、治るまで住宅ローンの借り入れを待つという手もあります。告知義務の対象となる期間は3年間なので、完治後その期間が過ぎるまで待つことになります。

ただし、住宅ローンの借り入れ時期は完済年齢に直結しており、ライフプランにも関わります。年齢が上がると保険の掛け金も上がっていくので、「頭金を貯めたい」などの事情がない限り、この方法はあまりおすすめしません。

配偶者名義で団信を組むという手も

自分名義では団信が組めない場合、配偶者に安定した収入があるなら配偶者名義で住宅ローンを組むという手もあります。そうすれば団信の加入者も配偶者となるので、告知内容が変わってきて審査に通過できる可能性が出てきます。

ただ、住宅ローンを組む場合は契約者の年収に加え、雇用形態や勤続年数も審査の対象となります。雇用先企業の安定性などもチェックの対象となるので、年収が十分あっても審査に通過できない場合があることを知っておきましょう。

団信の告知義務に関するよくある疑問

住宅ローンの借り入れを伴う住宅の購入は、一生に一度あるかないかの大きな買い物。団信の告知義務に関して、「これはどう考えるべき?」「こういうケースはどうすれば?」といった疑問を抱かれる人も多いのではないでしょうか。

たとえば、次のような疑問がよく寄せられます。

持病があると団信に入れないの?

保険会社によって基準が異なり、持病の種類や状態によっては加入できる場合があります。さらに加入条件が緩和された「ワイド団信」を利用すれば、加入できる可能性が高まります。

健康診断書の提出は必要?

基本的に住宅ローンの借り入れでは、健康診断書の提出は必要ありません。告知内容だけで判断されます。しかし「借入金額が大きい」「8大疾病保障特約を付ける」など、一定の条件に当てはまる人は健康診断書の提出を求められることがあります。

医師から薬を処方されました。今は飲んでいませんが、告知するべき?

医師からの処方は服用指示にあたるので、告知義務の対象となります。必ず告知しましょう。

医師による治療の期間(2週間以上)は、どこからどこまでカウントすればいい?

初診からカウントし、再診を促された場合はその期間をカウントしましょう。また、薬が処方された場合は服用期間をカウントします。定期検査の指示がある場合も治療の期間と考えましょう。

まとめ

ご紹介した通り、年収や借り入れ状況だけでなく健康状態も住宅ローンの借り入れ審査に大きく影響します。告知内容によって審査に通過できない場合、ほかの保険会社の審査を受けたり加入条件が緩和された「ワイド団信」を申し込んだりといった対策を検討しましょう。

健康状態が原因で審査に通過できない場合、「団信の加入をあきらめてフラット35を利用し、別途保険に入る」「配偶者名義で住宅ローンを組む」といった方法が考えられます。いろいろと手段があるので、審査に落ちてもすぐにあきらめず、次の手を考えましょう。


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