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2021.01.27 お役立ち情報

住宅ローンとカーローンは併用できる?複数ローンの影響とは


住宅ローンとカーローンは併用できる?複数ローンの影響とは

ローンを利用するシーンは、住宅購入だけではありません。車や高級家電など、家以外の高額商品を購入する際にローンを利用した経験のある人も多いのではないでしょうか。

しかし、たくさんの種類のローンを抱えていると、いざ住宅ローンを組もうとしても組めなくなるという可能性があります。実際、住宅ローンとカーローンなどの複数ローンを組むことはできるのでしょうか?こちらで、注意すべき点をお伝えしていきます。

ローンを組む上で重要な返済負担率

カーローンや教育ローンなどのほかの種類のローンを組んでいても、住宅ローンを組むこと自体は可能です。しかし、他のローンがない場合に比べると、不利になるということを覚えておきましょう。そこで重要になるのが「返済負担率」です。

返済負担率とは、年収に対してローンなどの借金返済に充てるお金(返済額)の占める割合です。たとえば、年収500万円の人が年間100万円を返済していると、返済負担率は20%ということになります。

金融機関の多くは、借入可能額を返済負担率で判断します。たとえば、A銀行では返済負担率30%まで、B銀行では返済負担率35%までというように、返済負担率の上限は銀行によって変わるので、一概に「この金額なら大丈夫」とはいえません。

銀行ごとの返済負担率の基準は公開されているケースと非公開のケースがありますが、住宅金融支援機構の運営する「フラット35」では公開されています。つまり以下の表内にある数値より返済負担率が低くなければ、住宅ローンを組めません。

・フラット35の返済負担率基準
年収 400万円未満 400万円以上
返済負担率基準 30% 35%

なぜこの基準が設けられているかというと、返済負担率があまりに高いと返済が困難になり、生活が苦しくなったり破たんしたりする可能性が高まるためです。せっかく新しい家を買っても、毎月の収支に余裕がなく苦しい生活になるのは嫌ですよね。

ここで重要となるのが、返済負担率を算定するための返済額は、すべてのローンなどの返済額の合計だという点です。つまり、複数のローンを借りている場合、返済可能額からそのほかのローンの返済額を引いた残りが、住宅ローンを借りられる上限額になるということです。

自動車ローンの有無による住宅ローンの借入可能額の違い

自動車ローンなどのそのほかのローンを組む場合の注意点は、年間返済額です。

自動車ローンは、購入する住宅を担保として設定する住宅ローンと違って無担保ローンです。そのため、住宅ローンに比べると返済期間が短く、その分、年間返済額が大きくなりがちです。

たとえば、200万円の自動車ローンを、金利1.9%で元利均等返済にて5年返済する場合で考えてみましょう。毎月の返済額は3万4,968円で、年間返済額は41万9,616円になります。

返済期間が35年で元利均等返済の住宅ローンの場合、金利1%であれば、返済月額3万5,000円程度違えば借入可能額が1,200万円以上違ってきます。つまり、自動車ローンの有無によって住宅ローンの借入可能額は大きく変わってきます。

すでにローンを組んでいる場合はどうすればいい?

それでは、すでに自動車ローンや教育ローンを組んでいて返済中である場合、どうすればよいのでしょうか?
住宅ローンを申し込む前に、自動車ローンを完済してしまわなければならないのでしょうか?

実は、その他のローンをすでに組んでいても必ず完済しなければならないわけではありません。まずは現在の借入額で、希望する借り入れ可能額に届くかどうかを試算してみましょう。その結果によって、対処の方法が変わってきます。

具体的には、各金融機関などが硬化している住宅ローン返済シミュレーターを利用して、年収に対する返済負担率と借入を希望する期間から、借り入れ可能額を算出します。その借入可能額に対する年間の返済額から、現在のローンの年間返済額を引いてください。

その残りの金額を毎月の返済額として、返済比率を年収に合ったものに設定し、借入可能額を算定しましょう。毎月の返済額から借入可能額を算出する機能も、多くの住宅ローンシミュレーターに備わっています。

返済比率は金融機関が公開している場合もありますが、非公開の場合もあります。非公開の場合は、フラット35のものを利用しましょう。

また、返済負担率を算出する際の利率には、実際の適用利率とは別の金利が適用されます。一般的に公開されていませんが、適用金利は利率が大幅に差し引かれているため、店頭表示利率などを基準に算出しましょう。

借入可能額が借入希望額に届く場合

借入可能額が希望する金額に届いていれば、そのほかのローンを返済中であっても借り入れができる可能性があります。住宅ローンの仮審査を受け、実際に希望する金額が借りられそうか判断しましょう。

ただし、実際の借り入れには、勤務先の安定性や勤続年数、健康状態(団体信用生命保険の加入可否に関わるため)など、さまざまな要因で借入可能額が変動します。審査に通過できない場合もあるので、その際は担当者に相談して「別の住宅ローンを申し込む」「借入希望額を減らす」などの対策を考えましょう。

借入可能額が借入希望額に届かない場合

返済負担率の計算上、借入可能額が希望額に届きそうにない場合は「返済中のローンを繰り上げ返済して年間返済額を減らす」「頭金を増やしたり住宅購入の予算を減らしたりして借入希望額を減らす」という2つの方法が考えられます。いずれも返済負担率を下げることができる方法です。

繰り上げ返済を希望する場合は、ローン会社に連絡してその旨を伝えましょう。翌月の引き落とし時等に、残りの返済額全額が引き落とされます。繰り上げ返済には返済額にプラスして手数料が必要となるケースもあるので、問い合わせ時に引き落とし日と引き落とし金額、手数料の有無を確かめましょう。

頭金を増やすと借入額が抑えられるので、返済負担率が下げられます。ただ、頭金を入れすぎて手元にお金がなくなると、急な出費に対応する余裕がなくなります。住宅ローンより利率の高いローンを利用しなければならなくなると本末転倒になるので、一定の金額は手元に残しておきましょう。

複数のローンを組むときに覚えておきたいこと

複数のローンを組む際には、年間返済額の合計額が年収に占める割合(返済負担率)を意識しましょう。

ローンを組む際、返済期間を短く設定すれば早く完済できますし、利息負担も小さく抑えられます。しかし、年間の返済額が大きくなるので、同時に住宅ローンを組みたいと思うと不利になります。

また、住宅ローンを借りたあとに自動車ローンを組む場合は、返済額の合計を計算して家計に無理のない返済計画を立てることが大切。さらに住宅ローンを借り換えする場合は、やはり返済負担率の算出時に自動車ローンをプラスした年間返済額で計算されるため、借り換えの計画がある場合も注意が必要です。

返済状況に注意!

複数のローンを組んでいる場合、特に注意すべき点は返済状況です。たとえ返済負担率に問題がなくても、返済状況が悪いと住宅ローンを組めなくなる可能性があるため、注意しましょう。

ローンの返済状況は、個人信用情報機関によって信用情報として記録されます。延滞などの記録は、5年間程度保存されるといわれています(自己破産などの官報情報は7~10年程度)。

個人信用情報の状況は、返済負担率よりも大きく借り入れの可否に影響を及ぼすので、借入のある人は着実に返済を続けることを心がけてください。

すべてのローンをまとめることはできるのか?

たとえば、住宅ローンの中に自動車ローンや教育ローンなどのほかのローンを組み込み、1本の契約にまとめることはできるのでしょうか?
これは、結論からいうと、できません。

住宅ローンは対象となる住宅を担保として設定することで、長期間にわたって低利子で利用できる融資制度です。借入上限額は、基本的に住宅の購入額となります。

そのため、マイカーローンをまとめて住宅の購入額をオーバーするような金額を借り入れることはできません。住宅の購入にまつわる諸費用も住宅ローンの対象とならないため、現金で用意することになります。マイカーローンや教育ローンを住宅ローンでまとめて借り入れできるか聞いて、「できる」といってくるような業者がいれば、知識不足もしくは違法な方法を勧める悪徳業者です。注意しましょう。

例えば2,200万円の住宅を購入し、頭金として用意していた200万円を車の購入にあて、住宅の購入資金全額を住宅ローンで借り入れるという方法は可能です。その場合も、諸費用は自分で用意しなければならないので、手元に一定の金額が残るよう資金計画を立ててください。

マイカーローンを借りず住宅ローンでその資金を借り入れた場合、金利は低くなりますが返済期間が長くなります。返済期間が長くなれば当然利息負担も増えるので、車分の借入金額に対する総返済額はむしろ高くなるかもしれません。

その間にまた車が傷んで、買い替えが必要になることも考えられます。車の購入分を住宅ローンに上乗せした場合は、毎月の返済額で浮いた金額を貯めて繰り上げ返済し、利息負担を減らすなどの工夫をしましょう。

まとめ

ご紹介したように返済状況に問題がなく、返済負担率の基準以内であれば住宅ローンとカーローンや教育ローンなどの併用は可能です。

ただ、複数ローンを組む場合は返済負担率が高くなりがち。住宅ローンを組む予定がある人がマイカーローンなどを借り入れる場合は、いつでも完済できる現金を手元に用意しておくと安心です。返済負担率が高すぎて希望する金額が借りられないようなら、先にそのほかのローンを完済して返済負担率を下げましょう。

たとえ返済負担率に問題がなくても、滞納などによって個人信用情報に大きな問題があれば住宅ローンを組めません。いずれのローンを利用するにしても着実に返済を続けていくことが、今後住宅ローンを利用する上で何より大切です。


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