コラム

2026.06.22 お役立ち情報

ベランダとバルコニーの違いは屋根の有無|メリット・デメリットと選び方


ベランダとバルコニーの違いは屋根の有無|メリット・デメリットと選び方

ベランダとバルコニーの主な違いは、屋根の有無にあります。間取り図を確認する際、両者の表記に戸惑うことも少なくありませんが、屋根がある屋外空間がベランダ、屋根がない屋外空間がバルコニーと区別されています。たとえば、突然の雨から洗濯物を守りたい場合には屋根付きのベランダが向いており、日当たりを重視して家庭菜園を楽しみたい場合には屋根のないバルコニーが適しています。本記事では、ベランダとバルコニーの構造的・法的な違いをはじめ、それぞれのメリットやデメリット、ご自身の暮らしに合わせた選び方について解説します。

【免責事項】本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものです。法改正や各自治体の条例、各メーカーの仕様変更などにより、最新の情報とは異なる可能性があります。実際の設計・建築等のご検討にあたっては、各専門家や行政機関に最新の規定をご確認ください。

目次

この記事で分かること

ベランダとバルコニーの構造的および法的な違い

それぞれのメリット・デメリットと向いているライフスタイル

設置時の注意点と将来のメンテナンス費用の考え方

ベランダとバルコニーの決定的な違いは「屋根の有無」

不動産および建築分野において、ベランダとバルコニーを区分する明確な物理的要素は屋根の有無です。ベランダは、建物の外側に張り出した縁のうち、上部に屋根や庇(ひさし)が設けられている空間を指します。一方、バルコニーは原則として建物の2階以上に設けられた、屋根を持たない手すり付きの張り出し空間を指します。

ベランダ

定義:建物の外側に張り出した縁で、屋根や庇がある空間

影響:屋根付きで開放性が足りないと判断されると、床面積に算入される可能性が高い

バルコニー

定義:原則2階以上にあり、屋根を持たない手すり付きの張り出し空間

影響:外壁から2m以上突出していない開放的な構造であれば、床面積に算入されない

この物理的な構造の違いは、呼称の違いに留まらず、建築基準法に基づく面積計算のルールに影響を及ぼします。建築基準法施行令第2条第1項第3号の規定などによれば、バルコニーやベランダの面積判断において、屋根の有無と空間の開放性が指標の一つとして扱われます。建物の「床面積」に算入されるか否かは、これらの規定によって判断されます。

外壁から2m以上突出していない開放的なバルコニーは床面積に算入されませんが、奥行きが2mを超える場合には、その突出寸法(奥行き)から2mを差し引いた部分が床面積に算入されます。屋根付きで開放性が足りないと判断されるベランダやバルコニーについては、床面積への算入対象となる可能性が高く、設計段階での図面明記や行政への確認が必要です。

また、建ぺい率の計算基準となる「建築面積」の算定においても、ルールが存在します。一般的なバルコニーやベランダのように外壁から突き出した構造物の場合、突き出した長さが1m以内であれば建築面積には算入されません。しかし、1mを超える場合には、先端から1m後退した線までの部分は建築面積から除外されますが、残りの部分(外壁側の部分)は建築面積に算入されます。

屋根の有無や手すによる開放性の度合い、突き出しの長さが、敷地内に建設可能な建物の規模(容積率・建ぺい率)を左右するため、事前の確認が重要です。

出典)建築基準法施行令第2条

出典)建築基準法施行令第2条第1項第2号の規定の運用に係るQA

さらに知っておきたいテラスやルーフバルコニーとの違い

テラス
1階に設けられた屋根のない床部分
ルーフバルコニー
下の階の屋根を利用した広い空間
インナーバルコニー
建物の内側に作られた屋根付き空間

テラスは1階に設けられた屋根のない床部分

テラスは、主に建物の1階部分に設けられた屋根のない床部分を指します。1階の掃き出し窓などの開口部から、直接庭や敷地に出られる空間として作られます。地面より一段高く基礎が設定され、表面にはコンクリートやタイル、木材等が用いられます。1階に位置するという特性により、2階以上の空中に設けられるバルコニーとは空間の定義が異なります。

建築面積の算定において、屋根を持たないテラスは原則として建築面積には算入されません。ただし、防雨や日よけの目的でテラスの上部に屋根を後付けした場合や、周囲を壁で囲った場合には、建築物の一部とみなされ建築面積に算入されることがあります。

ルーフバルコニーは下の階の屋根を利用した広い空間

ルーフバルコニーは、階下の屋根部分(ルーフ)を床面として活用し、その周囲に手すり等を設けた屋根のない屋外空間を指します。通常のバルコニーが外壁から空中に張り出す構造をとるのに対し、ルーフバルコニーは下階の建物の躯体の上に位置するため、より広い床面積を確保しやすいという特徴を持ちます。

ルーフバルコニーの平坦な床の直下は居住空間であるため、雨水の浸入を防ぐ防水施工と定期的な修繕が必要です。国土交通省が公表しているガイドラインによれば、外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕の周期の目安は12〜15年とされています。塗料や防水材の耐用年数に加え、定期的な点検が建物の保全において重要な役割を果たします。

出典)長期修繕計画作成ガイドライン

インナーバルコニーは建物の内側に作られた屋根付き空間

インナーバルコニーは、建物の外壁の面よりも内側に後退した位置に作られ、建物の容積内に収まっている屋根付きの半屋外空間を指します。建物の外側に張り出していないため、雨風や直射日光など天候の影響を直接受けにくく、外部からの視線を遮る壁面を確保しやすい構造です。

インナーバルコニーは、その構造的特性から建築基準法上の「床面積」に算入されるケースが多く見られます。バルコニーが3方で壁に囲まれている場合や屋根が備わっている場合、あるいは開口部に格子を設けて開放性の基準を満足しないと判断された場合、居住空間と同様に床面積として計算されます。床面積に算入されると、その土地に定められた容積率の制限枠を使用することになり、他の屋内居住空間の面積を調整する必要が生じる場合があります。

ベランダのメリット・デメリットと向いている人

天候に左右されず洗濯物を干せるのが最大のメリット

ベランダが有する機能的な利点は、上部にある屋根によって雨や直射日光から保護される点にあります。急な降雨の際でも屋根が雨を遮るため洗濯物が濡れにくく、天候の変化に即座に対応できない日中であっても、家事の負担を和らげる効果があります。また、ベランダにはエアコンの室外機や給湯設備が設置されることが多いですが、屋根が雨風の直接的な曝露を防ぐことで、これらの住宅設備を保護する役割も果たします。

屋根がある分、日当たりや開放感が制限されるデメリットも

屋根が存在することは、採光と空間の開放感に対する影響ももたらします。ベランダの上部が屋根で覆われているため、太陽の高度が高い季節や特定の時間帯においては、直射日光がベランダの床面や隣接する室内の奥深くまで届きにくくなります。屋根の影が生じることで室内の自然採光量が減少し、照明を使用する時間が増える要因にもなります。また、室内から屋外を見た際に、上方向の視界が屋根や庇によって遮られるため、屋根のないバルコニーと比較して閉鎖感をおぼえる場合があります。

バルコニーのメリット・デメリットと向いている人

日当たりが良く、開放感あふれる広い空間を作れるのが魅力

バルコニーは上部に屋根が存在しないため、日射を遮る構造物がなく日当たりが良いという特徴を持ちます。日照条件の良さは、洗濯物や布団を乾燥させる用途に向いているほか、太陽光を必要とする植物を育てる環境として適しています。さらに、外壁から張り出すバルコニーの構造は、建物の外観デザインにおいて立体的な造形を作り出し、開放感のある視覚的な広がりを持たせることができます。

屋根がないため雨天時の活用やメンテナンスに注意が必要

バルコニーは屋根がないため、床面の防水層や手すり部分が雨水や紫外線に直接さらされる状態にあります。これにより、雨天時には洗濯物を干せる空間としての利用が難しくなるほか、建材への影響に配慮する必要があります。

表面のトップコートの剥がれや防水層の劣化を放置すると、建物の構造への雨水の浸入を招く原因となります。定期的な清掃による排水溝の詰まりの防止や、表面劣化の目視点検など、ベランダと比較して日常的なメンテナンスの頻度や将来の修繕費用の計上が求められます。

ライフスタイル別!ベランダとバルコニーの選び方

共働きや家事効率を重視するなら屋根付きの「ベランダ」

日中に家を空けがちな家庭や、日々の家事の効率化を重視するライフスタイルにおいては、屋根を備えたベランダが適しています。急な降雨時における洗濯物の保護機能は、再洗濯の手間を減らし、家事の予定をスムーズに進める助けになります。天候に過度に依存せず、屋外に洗濯物を干せる実用面での利点が、日々の暮らしの要件を満たします。

アウトドアやガーデニングなど趣味を楽しむなら「バルコニー」

屋外空間を家事の場としてだけでなく、バーベキューや家庭菜園、または第二のリビングとしての活用を想定する場合、開放的な日照条件を備えたバルコニーという選択肢があります。

住まいを自分らしくカスタマイズする楽しみを持つ方々にとって、屋根のないバルコニーや、内と外を繋ぐ土間リビングは、趣味のアクティビティ拠点として機能します。たとえば、ヤマカ木材が展開する注文住宅ブランド「ナチュリエ」の入居者様からは、「DIYに挑戦したり、お気に入りの雑貨をディスプレイしたりといった、住まいを自分らしくカスタマイズする楽しみが増えた」といったお声をいただくことがあります。無垢材や漆喰などの自然素材を用いた空間は、自転車や観葉植物、アウトドア用品などを配置する趣味の場としても活用されています。

後悔しないための設置時の注意点とコストの考え方

洗濯物の動線やプライバシーに配慮した配置にする

設置時の空間設計においては、室内水回り(浴室や洗面脱衣所)からの移動距離といった家事動線の考慮に加え、外部からの視線を遮る手すりやフェンスの高さ設定を通じたプライバシーおよび安全性の確保が求められます。

手すりの高さについては、建築基準法施行令において特定の建築物やバルコニー等に対して「1.1m(110cm)以上の手すり等」を設置することが定められています。安全基準を満たしている場合であっても、踏み台となるようなエアコンの室外機やプランターの配置によっては、思わぬ転落につながるリスクが残存します。設計段階でのフェンスの高さ設定と、入居後の設備配置には、安全への十分な配慮が必要です。

出典)建築基準法施行令第百二十六条

初期費用だけでなく、将来の防水メンテナンス費用も考慮する

屋外空間の設置に伴うコストは、新築時の施工費用のみならず、建物の使用期間中に発生する防水メンテナンス費用を見据えた計画が必要です。

外部に露出する建材の防水機能は経年により変化するため、定期的な修繕工事が推奨されます。バルコニーの床面においても、防水層のトップコートの塗り替え工事が必要となるため、これらの将来的な支出を資金計画に組み込んでおくことが家づくりのポイントになります。

広いバルコニーを設ける場合は耐震性能への影響も確認する

広いバルコニーを設計する際、特に下階の壁面よりも上階が外側に張り出す「オーバーハング」構造を採用する場合、建物の構造バランスと耐震性能に対する影響を考慮する必要があります。空中に張り出した部分の重量を支えるために、基礎や構造の強度を検討し、柱や壁をバランスよく配置するなどの補強を施すことが耐震性確保の条件となります。

熊本地震における被害分析を行った報告書によると、住宅性能表示制度における「耐震等級3」を満たした住宅は、新耐震基準の1.5倍の壁量が確保されており、これに該当する建築物は「大きな損傷が見られず、大部分が無被害であった」と報告されています。

間取りの自由度と建物の安全性を両立させる選択肢として、ヤマカ木材の「ナチュリエ」があります。ナチュリエでは、見えない構造材にも無垢材などの本物の木を使用し、一部の自由設計プランなどを除く多くの住まいで個別の構造計算を実施したうえで、建築基準法の1.5倍の強度を有する「耐震等級3」に対応した設計を行っています。

広いバルコニー空間を設ける際にも、構造計算に裏付けられた耐震性能や、最長60年の長期保証といった保証制度を備えた住宅を選ぶことが、安全性確保の一助となります。

出典)「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント

ベランダとバルコニーの違いに関するよくある質問

アパートやマンションの「ベランダ」と「バルコニー」はどう見分ける?

アパートやマンションなどの集合住宅において、ベランダとバルコニーを見分ける基準は戸建て住宅の場合と同様に屋根の有無です。物件情報の図面や外観写真を確認し、対象となる空間の上部が階上の床や庇によって覆われているか否かで判断されます。

ただし、マンション等のベランダやバルコニーは、その部屋の居住者が専用で使用する権利を持つものの、火災や地震などの災害時には避難経路として使われることが定められています。そのため、これらの空間は法的に共用部扱いとなり、不動産情報に記載される専有面積には含まれません。避難経路としての性質上、避難の妨げとなるような大型の私物や構築物を設置することは原則として禁止されています。

バルコニーに後から屋根を付けることは可能ですか?

屋根のない既存のバルコニーに対して、後からテラス屋根やサンルーム等の屋根を設置する改修工事を行うことは物理的には可能です。しかし、この増築行為は建築基準法上の建ぺい率および容積率の制限に抵触する可能性があるため、注意が必要です。

既存のバルコニーに屋根を追加した場合、その屋根の形状や柱の有無、開放性の度合いによっては、新たに床面積や建築面積に算入されます。敷地に定められた上限をすでに満たしている状態で屋根の増築を行うと、建ぺい率の超過となるリスクが存在します。そのため、後付け工事を実施する前には、自治体の建築担当部局や指定確認検査機関に対し、専門家による法的な適合性の確認を行うことが推奨されます。

ウッドデッキはベランダとバルコニーのどちらに含まれますか?

一般的な住宅に設置されるウッドデッキは、地面に接する1階の庭部分に基礎を設けて作られる屋根のない床構造です。そのため、空中に設けられるベランダやバルコニーという定義には合致せず、建築の分類上は主にテラスに近い扱いとなります。

屋根がなく、極端に高い基礎を持たないウッドデッキ単体であれば、原則として建築基準法上の建築面積には算入されません。しかし、ウッドデッキの上部に日よけや雨よけのための屋根を設けたり、四方を壁で囲ったりする工事を行った場合には、その部分が建築物の一部として扱われ、建築面積の算入対象となるため、事前の制限の確認が必要です。

QUOカードプレゼントキャンペーン実施中!

現在ヤマカ木材では、WEBでご予約いただいて来場されたお客様にQUOカードをプレゼントしています。

来場予約キャンペーン

Floow me!
CATEGORY
PICK UP!
LIST
pageTop