2025.06.26 お役立ち情報
年収400万円で住宅ローンはいくらまで組める?無理なく返せる額を解説

マイホームを購入する際には、多くの人が金融機関から融資を受けており、家計に無理のない範囲の借入額の決定は、多くの人が思い悩む問題の1つです。
住宅ローンは35年間など長期にわたって返済し続けるのが一般的であるため、ライフイベントも考慮しながら利用することが必要となります。
本記事では、年収400万円の住宅ローンの借入額の目安について解説します。マイホーム購入を検討中の人は、ぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
- 年収400万円で住宅ローンはいくらまで組める?月々8万円はきつい?
- 年収400万円の住宅ローン借入額を実際にシミュレーション
- 年収400万円の住宅ローンの借入額を決めるポイント5選
- 年収400万円で住宅ローンを組む際の注意点6選
- 年収400万円における住宅ローンの借入額が少ない場合の対処法
目次
年収400万円で住宅ローンはいくらまで組める?月々8万円はきつい?
年収400万円で住宅ローンを利用する場合は、「いくらまで組めるのか?」「毎月の返済額はいくらが妥当であるのか?」などを検討しておく必要があります。
ここでは、以下のポイントについて解説しましょう。
- 住宅ローン借入額の平均は2,000〜3,000万円
- 無理なく返せる額は約6.3万円〜約7万円
- 年収400〜500万円における住宅ローン借入額の早見表
住宅ローン借入額の平均は2,000〜3,000万円
年収400万円の人が頭金なしで住宅ローンを組む場合の借入目安金額は、2,000〜3,000万円です。
住宅ローンの借入額の目安を判断する場合に使用する基準の1つに年収倍率があります。年収倍率とは、住宅ローンなどの借入額が年収の何倍に相当するかを示す指標であり、現在の年収で借入可能な金額を算出する際に利用されます。
計算式は「年収倍率=借入額 ÷ 年収」です。
住宅金融支援機構の資料(2023年度)によれば、戸建て住宅の種類別で分けた年収倍率は以下のとおりです。年収400万円の場合の借入額目安も記載しています。
住宅の種類 | 年収倍率 | 年収400万円の場合の借入額目安 |
土地付き注文住宅 | 7.6倍 | 3,040万円 |
注文住宅 | 7.0倍 | 2,800万円 |
建売住宅 | 6.6倍 | 2,640万円 |
中古戸建て | 5.3倍 | 2,120万円 |
※参考:2023年度フラット35利用者調査(P12)|住宅金融支援機構
戸建て住宅の中では、土地付き注文住宅が最も高い年収倍率で、年収400万円の場合の借入額目安は約3,000万円となります。
無理なく返せる額は約6.3万円〜約7万円
年収400万円の場合、毎月無理なく返せる住宅ローン返済金額は6万2,500円から7万800円程度が目安です。
住宅ローンは、35年など長期にわたって返済するのが一般的なため、負担が少ない返済金額を設定することが必須となります。
無理なく返せる額を試算する際は、返済負担率を参考にして計算しましょう。
返済負担率とは、年間でローンの返済額が年収に占める割合のことで、以下の計算式で計算します。
返済負担率(%)=年間返済額÷年収×100 |
住宅ローンの理想的な返済比率は手取り収入の20%〜25%といわれています。年収400万円の手取りは年間約300万〜340万円が目安であるため、以下のように計算します。
返済比率を手取り収入の25%に設定した場合の年間返済金額と毎月の返済金額の目安は以下のとおりです。
手取り | 年間返済金額 | 毎月の返済金額(目安) |
300万円 | 75万円 | 6万2,500円 |
340万円 | 85万円 | 7万800円 |
返済負担率が基準を超えると返済負担が重くなり、返済が滞るリスクが高まるため、審査が通らなかったり、借入額を減らされたりする可能性があるので注意が必要です。
年収400〜500万円における住宅ローン借入額の早見表
次に、年収400〜500万円ではどのくらいの住宅ローンを組めるのかを見ていきましょう。シミュレーションでは、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
・年収:400万円
・返済期間:35年 ・返済方法:元利均等返済 ・金利:変動金利年0.925% |
年収400〜500万円における住宅ローン借入額の早見表は以下のとおりです。
年収 | 住宅ローンの借入目安 | 毎月返済額 | 総返済額 |
400万円 | 2860万円 | 7万9,737円 | 3,348万9,540円 |
430万円 | 3,520万円 | 9万8,138円 | 4,121万7,960円 |
450万円 | 3,680万円 | 10万2,599円 | 4,309万1,580円 |
470万円 | 3,850万円 | 10万7,339円 | 4,508万2,380円 |
500万円 | 4,090万円 | 11万4,030円 | 4,789万2,600円 |
※参考:住宅ローン|新規借り入れシミュレーション(借入額から毎月の返済額を調べる)|三井住友銀行
同じ400万円台でも、400万円と470万円では借入可能な金額が大きく変わってきます。
借入金額が大きければ毎月の返済額も高くなるため、無理なく返済できるかを検討してから借入する必要があります。
年収400万円の住宅ローン借入額を実際にシミュレーション
年収400万円の住宅ローン借入額のシミュレーションを、以下の金利別に見ていきましょう。
- 変動金利の場合
- 全期間固定金利の場合
- 10年固定金利の場合
なお、以下の条件を設定して比較します。
【条件】
● 年収:400万円 ● 借入金額:3,000万円 ● 返済期間:35年 ● 返済方法:元利均等返済 |
金利別に分けた、年収400万円の住宅ローン借入額の比較表は以下のとおりです。
金利の種類 | 毎月の返済額 | 返済総額 | 利息分 |
変動金利(年0.675%) | 8万0,217円 | 3,369万1,379円 | 369万1,379円 |
全期間固定金利(年2.57%) | 10万8,377円 | 4,551万8,298円 | 1,551万8,298円 |
10年固定金利(年1.91%)
※固定期間終了後の金利は3.06%で計算 |
当初10年:9万7,998円
11年目〜:11万1,514円 |
4,521万3,726円 | 1,521万3,726円 |
※参考2:住宅ローン金利| 三菱UFJ銀行
変動金利は固定金利と比較すると金利が安いのが魅力です。しかし、今後の市況により上昇する可能性もあるため、市場の動向を見極めながら選ぶ必要があります。
全期間固定金利は変動がないため、安定した返済計画を立てられるのがメリットですが、金利が高めなため、毎月の返済額がやや高めになり、金利も多くなる点に注意しましょう。
一定期間固定金利のローンは、固定期間が終了すると返済額が上がるため、ライフプランを考慮しながら選ぶようにします。
年収400万円の住宅ローンの借入額を決めるポイント5選
ここでは、年収400万円の人が住宅ローンの借入額を決める際のポイントを解説します。
- 返済負担率を考えて返済期間を設定する
- ライフプランの変化を考慮して借入額を設定する
- 住宅ローン以外にかかるコストを考慮する
- 無理のない月々の返済額を把握する
- 定年後の残高がいくらになるのかを考慮する
返済負担率を考えて返済期間を設定する
返済負担率を考えて返済期間を設定することは、非常に重要なポイントです。借入金額が同じ場合、返済期間を長く設定することで割合は下がり、月々の返済額も少なくなります。
一方、返済期間を長く設定するほど支払金利が増えて総返済額も膨らむので、家計に余裕ができた段階で繰り上げ返済を検討するとよいでしょう。
ライフプランの変化を考慮して借入額を設定する
現在の状況だけでなく、ライフプランの変化を考慮することも重要です。
年収の増減や支出の増加などを予測した上で、家計に無理のない返済額をもとに借入金額を設定してください。
過度な借入は家計の破綻を招きかねないので、十分な配慮が求められます。
住宅ローン以外にかかるコストを考慮する
資金計画を立てる上で、月々の返済以外に必要な住宅の維持費(税金・保険・修繕費など)を考慮することも重要です。
戸建て住宅では、年間30〜40万円前後を想定しておくとよいでしょう。
特に、修繕費用は入居後すぐに必要なものではありませんが、将来に備えて積み立てをしておかなければ、急な出費に対応できません。
無理のない月々の返済額を把握する
住宅ローンの借入額を決めるには、無理のない月々の返済額を把握することも重要です。
年収が同じ400万円の人であっても、月々の返済プランは人それぞれ異なるので、自分の家計状況を踏まえた上で、借入額を設定することをおすすめします。
家計に無理のある金額を過度に借入するよりは、設計プランを見直して予算を調整するほうが快適な暮らしに近づくでしょう。
定年後の残高がいくらになるのかを考慮する
住宅ローンの借入額を決めるには、定年後の残高がいくらになるかを考慮することも重要です。具体的には、退職金での一括返済や、再雇用により減少した収入でも返済が可能かどうかを見ておく必要があります。
老後資金のことを考えると、定年までに完済していることが望ましいので、定年後も返済が残るプランはおすすめできません。
年収400万円で住宅ローンを組む際の注意点6選
ここでは、年収400万円で住宅ローンを組む際の注意点を解説します。
- 返済負担率は年収400万円以上から変動する
- 年収400万円と399万円の借入可能額は大きく異なる
- 月々の返済可能額を10万円未満に抑える必要がある
- 住宅ローン控除の恩恵が少ない
- 住宅ローン以外の借入がある場合は可能額が少なくなる
- 火災・地震保険料や固定資産税が発生する
返済負担率は年収400万円以上から変動する
返済負担率とは、年収の何%を住宅ローンの返済に利用するかを示した割合のことです。
金融機関では返済負担率を年収ごとに設定しており、返済負担率が基準を超えると審査に通してもらえません。
返済負担率の上限は、年収400万円以上から変化するのが一般的です。フラット35の返済負担率は年収400万円以上の場合35%ですが、年収400万円未満では30%に抑えられてしまいます。
年収400万円で年間合計返済額が120万円なら返済負担率は30%であるため、毎月10万円の返済プラン(ボーナス払いなしの場合)なら、事前審査で落ちる可能性は低いと考えてよいでしょう。
年収400万円と399万円の借入可能額は大きく異なる
年収が400万円か、それとも399万円かで、住宅ローンの借入可能額は数百万円異なります。
なぜなら、金融機関が住宅ローン審査をするときは、実際の金利ではなく「審査金利」という仮の金利を設定して返済負担率を計算するからです。
審査金利を何%に設定するかは金融機関次第ですが、仮に2.8%で計算した場合、以下の違いが生じます。
年収 | 借入可能額 |
400万円 | 3,121万円 |
399万円 | 2,668万円 |
この場合、年収が400万円のラインを超えるかどうかで453万円も借入可能額に差が出てしまうでしょう。
月々の返済可能額を10万円未満に抑える必要がある
年収400万円で住宅ローンを組む場合、月々の返済可能額を10万円未満に抑える必要があります。
年収400万円を12ヶ月で割ると、月収33万円程度です。しかし、年収は社会保険料や税金が引かれる前の総支給額で、手取り額ではありません。
額面年収400万円の場合、収入の2割程度を税金に充てるため、手取りは320万円ほどになります。ボーナスのない企業で働いている場合の手取り額は27万円程度で、年に1回2ヶ月分のボーナスが出る場合は、22万8,500円程度です。
ただし、実際には手取り額から食費や水道光熱費などを支払う必要があるため、自由に使えるのは毎月10万円未満になると予想されます。
つまり、年収400万円の場合、最大でも月々の住宅ローンの返済額を10万円未満に抑えたほうが無理のない金額で返済を続けられる可能性が高いといえます。
住宅ローン控除の恩恵が少ない
2024年以降からは住宅ローン控除の適用要件が厳しくなったため、2025年に入居する住宅を購入した場合、以前よりも住宅ローン控除の限度額が下がり恩恵が少なくなることにも注意が必要です。
住宅ローン控除は、あくまでも支払った税金の還付を受ける仕組みで、控除の限度額の恩恵を受けるための過度な借入はおすすめできません。
住宅ローン以外の借入がある場合は可能額が少なくなる
住宅ローン以外のローンを利用している場合、ローンの借入可能額が少なくなる点に注意が必要です。具体的には、以下が挙げられます。
- カーローン
- 消費者金融での借入
- スマートフォンの割賦契約(分割払い)
- クレジットカードでのショッピングやキャッシング
- 教育ローン
個人で借入できる金額には限界があります。ローンがあると借入の枠を圧迫してしまうので、住宅ローンを申し込む場合はほかのローンを先に完済したり、使っていないキャッシング枠を解約したりしておくのがおすすめです。
火災・地震保険料や固定資産税が発生する
火災保険料・地震保険料や固定資産税などの「住宅ローン以外の諸費用」が発生することにも注意しましょう。
火災保険は住宅ローンを利用する際には義務づけられるため、火災保険への加入が必須です。地震保険は火災保険とセットで加入します。
保険料は建物の構造(木造、鉄骨、コンクリート造)や所在地、補償内容、保険期間によって大きく異なりますが、戸建て住宅の場合年間数万円程度が目安です。
固定資産税・都市計画税も不動産を所有している限り、所有者は課税されます。
土地や建物の評価額、エリアによって異なりますが、地価が高い地域では高額になる場合があるため、毎年のランニングコストの一つとして考慮しておく必要があります。
年収400万円における住宅ローンの借入額が少ない場合の対処法
ここでは、年収400万円の人の住宅ローン借入額が少ない場合の対処法を3つ紹介します。
- 頭金を用意する
- ペアローンや収入合算も視野に入れる
- 保険を見直す
頭金を用意する
頭金を多く用意するほど、住宅ローンの借入額を減らせます。住宅ローンは長期に渡って返済するものであり、借入当初の経済状態より良い状態が継続するかはわかりません。
「現時点の経済状態のままなら、多少無理をしても問題ない」といった考えは危険です。万が一、病気や怪我で働けなくなった場合、収入が減少して返済ができなくなるおそれがあります。
想定外のことが起こる前提で、できるだけ返済負担率が低くなるように借入額を検討しましょう。
頭金は、一般的に住宅購入価格の20%までが目安とされており、3,000万円の住宅ローンを組む場合は600万円程度用意しておくのが望ましいといえます。
ペアローンや収入合算も視野に入れる
申込者本人の年収だけでは心もとない場合は、夫婦や親子などと協力する”ペアローン”や”収入合算”を視野に入れましょう。
申込者本人の年収だけで審査を受けるより、借入額を増やせる点がメリットです。しかし、妻の出産などで収入が大幅に減る場合を考慮しなければなりません。
また、夫婦でペアローンを利用して万が一離婚になった場合、それぞれの債務はそのまま残る点にも注意してください。通常、お互いの連帯保証人になるため、離婚後に相手が滞納した場合は代わりに返済するリスクも発生します。
保険を見直す
家を購入する際は、保険を見直しましょう。住宅ローンを組む際はほとんどの場合、団体信用生命への加入が必須です。
団信とは、被保険者が住宅ローンの返済中に死亡した場合に、保険金で住宅ローンの残額が返済される制度です。
団信に加入すると住居費に対する必要な保障を外せるため、生命保険の保険料を下げられます。
年収400万円の住宅ローンに関するよくある質問
最後に、年収400万円の住宅ローンに関するよくある質問を紹介します。
- 年収400万円で3,000万円の住宅ローンは組める?
- 年収400万円で住宅ローンの返済が月7万円ならいくら組める?
- 年収400万円の人は頭金なしで住宅ローンを組める?
年収400万円で3,000万円の住宅ローンは組める?
結論として、年収400万円で3,000万円の住宅ローンを組むことは可能です。
年収400万円の人が金利1.49%、融資率9割以下の条件で住宅ローンを組む場合の借入限度額は3,816万円となります。
融資率が9割を超える住宅ローンの場合でも、金利1.75%で3,662万円借入可能なため、3,000万円の住宅ローンを組めるでしょう。
年収400万円で住宅ローンの返済が月7万円ならいくら組める?
年収400万円で住宅ローンの返済が月7万円なら、35年払いで融資金利1.49%の場合、2,289万円まで借入可能です。
月々の返済可能額を10万円未満に抑えると、無理のない返済ができます。月7万円であれば、食費や水道光熱費を支払う際にも余裕が出てくるでしょう。
年収400万円の人は頭金なしで住宅ローンを組める?
年収400万円の人は頭金なしでも住宅ローンを組めます。ただし、年収400万円でどうしても3,000万円台の住宅を買いたい場合は、頭金を用意することをおすすめします。
3,000万円のローンを組むと返済が大変になる人も、頭金を600万円用意して借入額を2,400万円まで引き下げれば、その分毎月の返済を楽にできるからです。
毎月の返済額で比較すると、月々9万2,000円から7万4,000円まで月々のローン支払いを圧縮できます。
年収400万円で住宅ローンを組むなら無理なく返せる額を意識しよう
年収400万円で住宅ローンを利用する場合、無理のない返済を続けるには年収に見合った借入額と返済比率でローンを組むことが必要です。
年収400万円の手取りは年間約300万〜340万円が目安のため、毎月の返済額が10万円以下であるのが望ましいといえます。
また、返済期間が短いと返済金額が高くなるため、早めにローンを組んだほうが無理のない金額で住宅ローンを返済できるでしょう。
毎月のローン返済額だけでなく、それ以外の住宅にかかる費用も考慮に入れることも重要です。質の高い住宅を選ぶことで、修繕費を抑えられる可能性が高いといえます。
ヤマカ木材では、年収400万円でも無理なく建てられる自然素材の家をご提案しています。資金計画にもアドバイザーが親身になってご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。
